初恋は、結ばれないぐらいがちょうどいい
meikoです。
初恋は結ばれない、というジンクスは有名ですね。
世代が違っても、学生時代に一度は耳にしたことがあるフレーズではないでしょうか。
meikoにも初恋の思い出があります。
初恋の相手
小学校に上がる前に引っ越したお家のお向かいさんが、初恋のSくん。
Sくんはかっこよくて、走るのが早くて、悪口とかを言ったりしない優しい人。
お向かいさんなので登下校の通学班も一緒、親同士仲良くなったので2つ通っていた習い事も一緒で、遊ぶのも一緒。
委員会も委員長と副委員長をしたり、スポーツの習い事では男女別なのでそれぞれのキャプテンを務め、一緒に選手宣誓をしたのも懐かしいな。
バレンタインになれば、下校してお母さんに髪を可愛く結んでもらって、自分なりにお気に入りの服を着てSくんの家までチョコを届けた。
ホワイトデーにはSくんが私服に着替えてお返しのクッキーやアメなどを手渡しに来てくれていた。
一度わたしが手作りのトリュフチョコレートに挑戦したことがある。
するとお返しは少し不恰好なクッキー。わざわざ手作りで返してくれた。
クリスマスにはみんなに内緒でプレゼント交換をしたことも。
自分たちも意識し合っていたし、周りからも両思いと思われていた。
小学校の終わりぐらいに『告白ブーム』があり、数組カップルが誕生したが、私たちはお互い告白することもなく、暗黒期である中学校に進む。
(Sくん以外にも同級生のご近所さんは男の子が多く、男の子とばかり遊んでいました。そのせいで女の子に『男好き』と呼ばれていたのは悲しい記憶w)
付き合わなかった二人
『告白ブーム』が恥ずかしくて、付き合うことができなかった。
中学校に上がってすぐ、Sくんが別の小学校からきた女の子に猛アピールされていて、ショックを受けた私はただ告白されたからという理由で別の男の子と付き合う。
そしてそれを知ったSくんもその女の子と付き合い始めた。
そのあと、いろいろあってmeiko暗黒期。不登校になる。
不登校で家にいても鬱で辛かったし、Sくんのことが好きなのに別の人と付き合った罰だとかいろいろ思いつめていたが、その年バレンタインを渡していないのに、ホワイトデーに変わらずわたしに贈り物を届けてくれたことは覚えている。
それは中学卒業まで続く。
まだSくんは携帯を持っていなかったので、メールはできなかった。
わたしが不登校だったせいで知ったのはずいぶんあとだったが、Sくんは県外の高校にとある競技で特待生として進学することになっていた。
最後のホワイトデー
ずっと応援してるからがんばってね。 小さい頃からSくんのすごさ知ってるのはmeikoだもん。 競技頑張って、新聞とかに名前載るようになってよ。そしたら私の初恋の人だよって自慢する。
ホワイトデーの贈り物を届けてくれたSくんに、自分なりの精一杯のラブレターを渡した。
今思えば自分は携帯持っていたし、アドレスや番号書いておけば良かったのにと…
県外に行っちゃうことでいっぱいで気が回らなかった…
その日のうちに家の電話にSくんからありがとうの連絡があった。
ありがとう、と頑張って行ってくるというのは記憶にあるのですが恥ずかしくてパニックでよく覚えていない…
数年後
わたしは家出して、キャバ嬢として夜の世界にどっぷり浸かっていた。
その頃はまだmixiにも人がいたなぁ。そんな時期。
あしあとにSくんと同じ名前が…。
プロフィールをみると、まさにSくん!!!
ちょうど仕事でも飲んで、仕事帰りにも飲みにいって少し酔っ払っているわたしは、思い切ってメッセージを送ってみることにしました。
もしかしてSくん??meikoだよ、覚えてる?
やっぱりmeikoだと思ったよ!久しぶり!
返事ありがと〜!今同じ街に住んでるんだね
うん、大学決める時実家に帰りやすいほうがいいと思ってこっちにした!
そっか。そういえばいつも大会の結果とか新聞で見てたよ!よく名前載ってて嬉しかった
meikoと約束したからね
あ、わたしが初恋の人って言っちゃったから…
俺も初恋の人だったよ、小学校からずっと好き。じゃないとクッキーとか作らないでしょwお互い違う人と付き合うとか捻くれてたよな
ホント捻くれてたね。でもわたしもずっと大事な初恋の人だよ。だからSくんは幸せになってね!約束!
そのあとはmixiを開いていない。
返事が届いていたけれど、開封したらまたメッセージを送りたくなってしまうから。
地元から離れた同じ街に住んでいてもわたしは夜の人間で、Sくんは大学生で競技でもいい成績を残しているキラキラしてる人間。
会いたいし、会おうよっていえば会えたかもしれないけど、Sくんのことを汚したくなかったから返信も見ずに勝手にやりとりをやめた。
Sくんにはどうか元気に生きて、好きな競技でたくさん結果を残して、そして誰かと幸せになって欲しい。
それだけでわたしは幸せだと思えるから、いいの。
会わないままだから、嫌いになることもない。
いまでもたまーにSくんの名前で検索すると、競技の順位に入っていたり、実業団として活躍していることを知ることができる。
母と電話すれば「Sくんすごいのよ〜」とローカルニュースでの活躍も耳に入ってくる。
こういう知らせにキュンとときめいたり、甘酸っぱさを感じたり、まだ約束覚えてるのかなと勝手に妄想したりする。
初恋は、結ばれないぐらいがちょうどいい。
だって、一生綺麗な思い出でいられるから。
大好きだから 大切だから
いつかは消えてく恋にはしたくない♫-最上級 I LIKE YOU/高橋由美子